不動産の売却・・・
自分にはまだ関係のないことだな
と思っているあなた!
意外と不動産売却というのは身近になるもの。
転勤や相続など、色々な事情で不動産を売るなんて考えていなかった方が、突然不動産売却の売主になるということもあったりします。
今日は不動産売却査定のことについてお話します。
いつ突然あなたも不動産を売るときが来るかもしれませんので、これを見て事前に不動産売却について知っておきましょう。
不動産売却査定
今日は中古住宅の売却査定説明をさせていただく個人のお客様用の査定書を作っていました。
みなさん、不動産を売却する際の指標となる不動産売却査定ってどういう要素で査定額が算出されているかご存じですか?
これまでに不動産を売却されたことのある方ならおわかりかと思いますが、不動産売却の査定っていうのは下記のような公的価格と近隣の取引事例を参照してつくられるんですよ。
でも実はですね!
必ずこのように査定しなくてはならないという決まり事がなくて不動産屋によっては査定の仕方は結構まちまちだったりするわけです。
参考までに弊社の査定の出し方をご紹介します。
不動産売却査定の要素
- 相続路線価格
- 公示価格
- 地価調査基準地価格
- 宅地建物取引業協会標準値価格
- 近隣の売出中物件価格
- 近隣の成約物件価格
- 外的・内的要因による流通性補正
「・・・?」
色々書いてありますが、よくわからないですよね。
簡単にご説明します。
相続路線価格
相続税路線価とは、相続税や贈与税を算定する際の基準となる路線価のことである。 国税庁が毎年7月初旬に、路線価図および評価倍率表から構成される「財産評価基準書」によって、同年1月1日時点の価格を公表する。 ※ウィキペディアより
一般的には相続路線価は実勢価格の8割を目途に付されていると言われるため、実勢価格に修正するには「相続路線価÷80%」をすれば実勢価格目安が出ると言われています。
公示価格
公示地価とは、法令に基づき国家機関等により定期的に評価されている公的地価のうち、個別の地点、適正な価格が一般に公表されているもので、日本では地価公示法の公示価格を指す。
※ウィキペディアより
地価公示は、地価公示法に基づき毎年1月1日における標準地を選定して「正常な価格」を判定し公示するものです。
地価公示の目的は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格の算定等の規準とされ、適正な地価の形成に寄与することにあり、一般的には概ね実勢価格に近い数値であると言われています。
地価調査基準地価格
国土利用計画法の土地取引価格の審査基準価格として設定されたもので,都道府県が毎年1回公表している。具体的には都道府県知事が基準地について不動産鑑定士の鑑定評価を求め,毎年7月1日に現在の標準地価を判定し,10月初めに公表する。土地取引の指標,正常な地価形成を目的とした公示価格とほぼ性格を同じくしており,公示地価を補完する形をとる。実勢地価を 100%とした場合,基準地価は 70~80%といわれている。
※コトバンクより
宅地建物取引業協会標準値価格
静岡県宅地建物取引業協会が一般の土地取引における判断基準となる指標の価格として公表している価格。
宅地建物取引業協会は日本全国の自治体にありますが、自治体ごとに様々な活動やサービス・運営を行っており、もしかしたら静岡県以外の宅建協会では標準値価格以外の指標があるのかもしれません。
近隣の売出中物件価格
名前の通り、査定対象地付近の売出中物件を比較対象として参照します。
近隣の成約物件価格
名前の通り、査定対象地付近の成約物件を様々な手法・ツールで調べ、実績値として参照します。
外的・内的要因による流通性補正
不動産売却査定は様々な要因を積み重ねて、その査定額が算出されます。
例えば主開口部の向きであったり、面積が小さすぎる・大きすぎる、近隣に嫌悪施設があるといったような内部要因に加え、地震の影響による心理的リスク、大型開発が進み市街化が急速に進んでいるなどと言った外的要因。
そのような査定対象物件特有の要因や社会的・経済的要因・環境的要因などの外的要因による流通性補正を行って査定額が算出されます。
査定額はあくまで目安
このような様々な公的指標や私的要因を根拠として、流通性補正もかけながら不動産売却査定額は出来上がります。
ただ、あくまで査定は購入したいという方がこのくらいの金額なら出てくるだろうという指標額であり、この価格なら必ず購入希望者が付くという絶対的な数字ではありません。
その地域・その不動産を買いたいという方が、そもそもその地域の不動産市場に数多くいる時期か、それとも今は時期的に探している方が少ない時期か、またその他にも物件が多く売り出されているのかいないのかによっても、購入希望者から「この金額で買いたい」というお声がかかるかどうかは変わってくるのです。
査定額を高く吊り上げて媒介契約を取る不動産業者には要注意
上記のように不動産の売却査定には色々な要素を複合的に見て査定額を算出します。
ただ、不動産売却査定には決まったフォーマットというものはないので、不動産業者によって査定額にばらつきが出ます。
ここで最も注意しなければならないのが、高額査定を提示してくる業者。
不動産屋としては、売却活動をお任せしますという契約のことを媒介契約というのですが、媒介契約が取れれば、自社でお客さんを見つけようが他社のお客さんで買ってもらおうが売主側からの仲介手数料はもらえるのです。
買主側も自社で見つければ買主側仲介手数料ももらえて、一度に二度おいしいいわゆる両手取引となります。
つまり高額査定を餌にして、媒介契約を取れば何をしなくても結果として売れれば売主側からの仲介手数料は確約されたようなもの。
でも、査定額では売れないのは承知の上で、売主様から媒介契約を取るために高額査定を提示して媒介契約を取り、売れないから値下げ値下げを繰り返す業者もいます。
こういう不動産業者には要注意です。
不動産売却査定は、金額だけでなく信頼できる不動産屋に
上記のように査定額だけで選んでしまって、最終的な成約価格は査定額とかけ離れた安い金額で泣く泣く売るという事例もよくあります。
不動産売却査定というのは、あくまでも売れるであろう参考価格なので、下手に高い金額を提示してくる業者には要注意です。
査定額が安くても、売出金額は売主様のご意向を加味したうえで決定できるので、安い査定額であったとしても信頼できそうな不動産屋に依頼されることをおススメします。
現役不動産屋の社長からのアドバイスでした。