家を買うって楽しいですよね。
これから、まだ知らない新しい環境のことを考えてワクワク、ドキドキ。
これぞまさに「夢のマイホーム」の醍醐味。
ここから急に現実の話ですが、夢のマイホームを手に入れるために、まず不動産屋さんや建築業者さんから家を買うと、建物を自分のものとして登記します。
新築の時には建物表題登記という建物の所在地や構造・規模、面積などを、登記簿の表題部に載せるための登記をしなければならないのです。
建物表題登記が完了したら、自分の所有権を証明し、保護するための所有権保存登記(中古建物の場合は所有権移転登記)をします。
そこで建物表題登記をした後に、建物の面積に関して時々「?」となることが。
登記した時に建物の面積について知っておいた方がいいことを今日はお話します。
- 登記したら建物の面積が減った???
- まさか建築業者に騙された???
- 建築基準法と登記法の面積の違い
- 建物面積が変わるからくり
- 建物面積には「壁芯面積」と「登記面積」の2種類の面積が
- 不動産広告に載っている面積が50㎡くらいの物件は要注意
- 最後に
登記したら建物の面積が減った???
朝スマホでニュースを見ていたらたまたまこんなブログ記事を見つけました。
僕は毎朝スマホやPCで不動産関連のニュースを見て色々と情報収集をしているんですが、ふとこんな記事が出てきました。
簡単にいうと、このブログを書いている方が注文住宅を建てたときに「建築の打ち合わせ時で建築屋さんから提示されていた面積と、登記した後の面積が違う」ということが書かれていました。
建築屋さんと打ち合わせしていると、プラン提案のときに●●㎡(●●坪)って、図面や提案書のどこかに書いてあったりしますよね。
マンションのパンフレットなんかにも面積が載っていますね。
それなのに・・・
「登記したとたんに、登記簿の面積が、建築業者さんから聞いていた図面やパンフレットに載っている面積と違う面積になっているじゃないか!どうして??」
まさか建築業者に騙された???
・・・え、こんなことってあるの?
・・・こんなこと聞いてない。。
・・・詐欺じゃないか!!
・・・くそ!あの建築業者め!まさか、私たちを騙したのか!?
と思われる方がいるのも納得です。
この建物の面積の違いのからくりを何も知らずに、謄本を見てみたら打ち合わせの時から建築業者さんに聞いていた面積と違うなんてことになったら、誰でもビックリしますよね。
でも焦らないでください!
これにはしっかりとした理由があるんですよ!
建築基準法と登記法の面積の違い
この理由には2つの法律が関係してくるんです。
法律というと急に難しそうな気がしますね・・・
でも知っていれば簡単なことなのです。
ひとつは建築基準法。もう一つは登記法。
いわゆる建築業者さんが設計図や提案書なんかで出してくる面積は「建築基準法」に基づいて求積された面積なのです。
反対に、登記簿に登記された面積(謄本に載っている面積)は「登記法」に基づいて求積された面積なのです。
建物面積が変わるからくり
- 建築基準法の面積・・・壁芯面積(かべしんめんせき)
- 登記法の面積・・・内法面積(うちのりめんせき)
簡単に言うと
- 建築基準法の壁芯面積は、建物の壁の真ん中から内側を求積する
- 登記法の内法面積は、建物の壁の内側から求積する
上の画像の赤い線がそれぞれの法律の求積対象になるラインを指しています。
建築面積で計る壁芯面積では建物の壁の真ん中からになっていて、登記面積で計る内法面積では建物の壁の内側からになっているのがわかります。
そもそも建物の面積の出し方って一つじゃないんですね。
それもなんで一方は壁の内側から計るのか、もう一方は真ん中から計るのか・・・
出来はしないですけど、ややこしいしビックリするから一つにまとめて簡単にしてほしいですよね。
建物面積には「壁芯面積」と「登記面積」の2種類の面積が
壁芯面積と内法面積、こういった違いがあるんですね!
建物面積は2つの法律に基づいて、2つの求積方法があるのです。
どちらも決して間違いではなく、ただ単に面積対象となる部分の計算の仕方(範囲)が違うだけなのですね。
意外とご存じない方もいるのかなとブログ記事を見て思ったので、雑学としてご紹介してみました。
決して建築業者さんの詐欺じゃないですよ。
安心してくださいね。
不動産広告に載っている面積が50㎡くらいの物件は要注意
時々分譲マンションなんかで50㎡+αくらいの面積の物件ってあったりしますよね。
静岡市でも最近新築マンションなんかでも1LDKくらいのコンパクトな間取りも出てたりします。
実はこの50㎡くらいの面積の不動産って要注意の物件なんです。
なぜかというと・・・それは住宅ローン減税!!
住宅ローン減税の対象になる不動産って、内法面積(登記面積)が50㎡以上の物件が対象。
つまり、広告の面積が50㎡+αだったとしたら、その広告の面積が内法面積なのか、それとも壁芯面積なのかを必ずチェックしなければなりません。
もし壁芯面積で50㎡+αだったとしたら、もしかしたらせっかくマイホームとして買ったのに住宅ローン減税が受けられないという可能性もあったりしますので。
せっかくマイホームとして買ったのに、住宅ローン減税が受けられなくて所得税・住民税還付ができないなんて嫌ですよね。
50㎡前後の物件の場合は、住宅ローン減税に大きく影響するので、問い合わせをするときに面積が内法面積なのか壁芯面積なのかを必ず不動産屋さんに確認してくださいね。
最後に
今回の建築上の面積と登記上の面積の違いのように、不動産や建築の世界では常識と言われていることでも、業界人ではない一般の方にとっては一度も耳にしたことのないことって意外と多いもの。
「不動産の常識は世間の非常識」ともよく言われたりします。
それに不動産業界人でも、ときどきよくわからないが出てきたりするのも不動産や建築の世界。
今回のようにわからないことがあったら、信頼のできる不動産屋さんにまず聞いてみましょうね。
今日は建物面積の2つの基準についてでした。
おしまい。