静岡市の小さな不動産会社社長の徒然ブログ

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1法人1物件スキームが問題に!不動産投資における資産規模急拡大の裏技・・・

1法人1物件スキームが問題に

1法人1物件スキームが問題に


こんにちは。新富不動産スタジオの川村です。

 

今日は朝から所属する静岡県宅地建物取引業協会の初級実務研修会で缶詰(;_;)

10時~15時半という長丁場で、パンフレットに書いてあることを研修担当の方が説明(読み上げ?)というのが主なところ。

どうしてお堅い研修会って、読めばわかることをわざわざ人の時間を奪ってまで、読み上げ説明したがるのかな・・・(-_-;)

 

  

不動産投資の裏技「1法人1物件スキーム」とは

さて、そんな研修中に収益物件専門の大手不動産ポータルサイト「楽待」から、1法人1物件スキームについてのアンケート依頼メールが届きました。

 

1法人1物件スキーム???

  

となる方のために以下1法人1物件スキームのご説明。

1法人1物件スキームの仕組み

川村さんがいます。

川村さんが自分で法人Aを設立→A社で物件Aを購入します。

川村さんが今度は法人Bを設立→B社で物件Bを購入します。

こういうやり方で物件と法人を1対1で対応し購入していく手法。

 

川村さんは法人が借入する際の連帯保証人になっても、個人信用情報に記載されない場合が多いので、すでに存在する法人の借入額が金融機関からすると見えにくくなり、新設法人で融資を受けやすくなる。

また個人に比べて法人の方が多くの融資を引けるため、急加速的に物件を購入し資産規模を増やせるやり方でもある。

 

 

簡単に言うと、物件を買うごとに別法人を立ち上げて、金融機関にたいして債務を見えにくくして融資を引っ張りやすくする不動産投資方法です。

法人代表者が法人の連帯保証人となっても個人の信用情報はのってこないので、負債を悪い言い方するとい隠ぺいすることができてしまうんですね。

法人での収益となるので、税金としても個人の所得税住民税より法人税に逃した方が総額では安くなる場合もありますよね。

といっても各法人にランニングコストがかかるので、メリットばかりではないと思うのですが。。

 

個人より法人の方が融資を受けやすいですし、個人の負債は見えにくいため金融機関の審査においてその他借入無しと誤認させて、次々と物件を購入している投資家さんもいるようですね。

当然僕はやっていません。。。

 

「1法人1物件スキーム」が金融機関から問題視され始めた

このスキームによって、資産規模を急速に拡大することができる、ある意味裏技のような収益物件購入方法(-_-;)

でも、これが今問題になっているようですね。

 

そりゃそうですよね!?

だって、金融機関をだましているようなものですもの( `ー´)ノ

だって、実質は多重債務ということですからね(-_-;)

 

そういえば、僕が最近取り組んでいた収益物件売買でも、この1法人1物件スキームが借入先のりそな銀行にばれて、売らざるを得ない状況になってしまったという案件もありました。

この案件は新築物件だったのですが、土地を購入して建物建築をするという流れ。

土地購入と建物の着工金などは融資が出たのですが、途中でりそな銀行にばれてしまって、最後の最終金の追加融資が出ないために資金調達方法がなくなり、売却せざるを得ないという状況でした。

 

最終的には、売主が何とか自分で資金調達をしたようで、売買自体が流れてしまいましたがこういう話をちらほらと耳にするようになってきました。

 

1法人1物件スキームを問題視し対策しているのが「りそな銀行」

結構な確率で借入銀行を確認すると「りそな銀行」が。。。

りそな銀行は1法人1物件スキームが発覚した投資家に対して、一括返済か金利6%へ引き上げかを要求したというニュースも耳にしました。。。

昨年から過熱する不動産投資に対してその資金調達元である金融機関に対して、不動産投資用の融資の実態調査を金融庁が行っているという点から、金融機関も金融庁対策としてある種裏技のような1法人1物件スキームを問題視しているようですね。

 

不動産投資はリスクはつきもの。

でも、不正はいけませんよね( `ー´)ノ

 

不動産投資市場が健全な状態に戻るために

こういった裏技のような手法によって、不動産業者の立場から言えば物件を購入してもらえるからいいものの、結果として不正が横行することで不動産投資に対する世間の眼というものが「悪」となってしまい、正当に不動産投資を業としてやっている投資家やそういった投資家相手に商売している不動産業者にまで悪い影響が及んでしまう(;_;)

 

ただでさえ、スルガ銀行の不正融資に端を発した不動産投資用物件に対しての融資が出なくなった問題で多くの善良な投資家が困っているというのに( `ー´)ノ

そう考えるとりそな銀行の対応というのは、非常に評価できる対応だと個人的には感じます。

 

不動産投資は融資に完全依存していると言っても過言ではないくらい、融資での購入が付き物。

投資だからこそ、手元資金を使わず他人資本で投資元本を調達して、そこから生まれる収益をリターンとして受け取るというのが本来のあるべき姿。

 

こういったグレーというかブラックというか社会問題になるような裏技のようなものが世の中からなくなり、一刻も早く不動産投資の世界が健全なものになってくれることを切に祈る僕でした・・・(^-^;